恋愛一色
今すぐにでも美幸のいる場所に行って、抱きしめたいのに…うじうじとしている自分がいた。


きっかけさえ…あれば。


『お前達何してるんだ?HR始まるぞ?』



すると誰かが俺たちを注意した。


顔を上げるとそこには副担任の柳原先生がいた。

なんで?柳原?



『何で柳原?』



遥斗が素早く質問をする。

柳原先生は名簿を見ながらこう言った。



『佐藤先生は夏風邪で休みだ。お前達早く教室に入れ。欠席にするぞ?』



…美幸は休み?夏風邪?

俺の頭の中をぐるぐるとこの言葉が廻る。



すると、窓から強い風が吹き込んできた。



まるで俺に『行け』と言っているかのように。



『響、行けよ。後悔したくなかったら行ってこい』



遥斗はこう言って、顎を使い合図をした。



俺は深く頷き、長い長い廊下を全力で走っていった。




もう…後悔したくないから。



迷いたくない…
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