恋愛一色
相変わらず暑すぎる世界だ。

マンションに来るまでは蝉の鳴き声が応援歌に聞こえたが、今はただの煩い雑音にしか聞こえない。


憂鬱さを抱きかかえてコンビニに足を運ぶ。


コンビニに入ると一気に涼しくなる。
まるで天国だ。


俺はりんごとグレープフルーツとスポーツドリンクを手に取り、レジへと運んだ。


そして会計を済ませ、天国から地獄へと世界を変える。



するとポケットの中に入っていた携帯が突然震え出した。


俺は一旦日陰へと移り、携帯を取り出す。


『遥斗?』



着信相手は遥斗だった。俺は迷わず通話ボタンを押した。



『──…はい?』



『響か?』



遥斗の声と共に聞こえたのは教室で騒いでいる生徒達の声。
今は休み時間なのかな?


『お前先生とどうなったわけ?』



『今、美幸の看病してて、買い出しに行ってるんだ』
< 277 / 313 >

この作品をシェア

pagetop