恋愛一色
俺はしばらく美幸の寝顔に見とれ、手を握った。
手を握ると熱が伝わってくる。


『…気づいてよ…』



俺はこう眠っている美幸に言い、顔を伏せた。


美幸の手を握りしめたまま、俺はいつの間にか眠っていた──…




…─目が覚めたのは、美幸が俺の肩を揺さぶったときだった。



『響君?』



俺は目を擦り、辺りを見渡す。



『俺…寝ちゃってた?』


『ぐっすりね』


美幸は口に手を当てて笑っていた。

美幸の笑顔を見るのは別れた以来で、俺は心の中でひどく喜んだ。



俺は美幸の手を握ったままだったが、あえて何も言わないでいた。



『…果物とスポーツドリンクありがとうね』



美幸は部屋に散乱したコンビニで買った果物とスポーツドリンクを指差した。



『…うん』



急に静まる部屋。
外はまだ明るかった。



今しかない─…
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