恋愛一色
冷えたレモンティーを一口飲み、自分を落ち着かせた。


俺は真っ直ぐと美幸を見つめた。
美幸も強い眼差しで俺を見返す。



いろいろな人の会話が飛び交う喫茶店。
そんな音など俺の耳には入ってこなかった。



『前、響君が聞いたよね?美幸はどんな恋愛をしてきたのかって…私ね、昔辛い恋をしたの』



氷が溶けてグラスに水滴がついていく。



『…辛い恋?』



俺はゴクンと生唾を飲んだ。



『私が響君と同じぐらいの時に先生に恋をしたの。先生も今の私ぐらいの歳で、隠れて恋愛をしていた…』




初めて聞かされる美幸の恋の話。

俺はぎゅっと手を握りしめた。



美幸は顔色ひとつ変えずに俺に話していく。



『私は先生が好きだったし、先生も私が好きだったと思う…でもね?先生は私を捨てた…』




『…え?…』
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