恋愛一色
『好きだけじゃダメなんだなって…私は響君の先生だし、生徒の将来を考えなくてはならない。いつか終わってしまう恋愛のために響君の未来を犠牲にできないって…』



俺は好きならいいよ。
好きだけじゃダメなの?


美幸は俺の将来なんて考えなくていいんだよ…
俺は美幸といたいだけなのに…



小さくなる氷。
色が薄くなるレモンティー。

抜け殻の自分。



もう…終わりですか?




『…美幸は後悔してないの…?』




『後悔したかもしれない。でも今はひとつの大切な思い出よ…私も先生みたいにあなたをいつか捨ててしまうんじゃないかなって不安だから…別れを言ったの…』



涙ながら話す美幸を見ていたら、どこかで納得している自分がいた。


今美幸に何を言っても、美幸の考えは変わらないだろう。





でも嬉しかったんだ。
美幸はいつも俺のことを一番に考えてくれていたということが─…
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