恋愛一色
まだ俺には時間が必要だった。
美幸をずっと想っていられるか、自分を試す時間が─…




…そして数時間後、鏡に写し出された俺は、数時間前よりかなり変わっていた。


所々に金のメッシュが入っていて、地毛が茶色の俺によく似合っている。

俺は口をポカーンと開けて暫し鏡とにらめっこをしていた。



『…すげぇ…』



『気に入ってくれたかな?響君に似合う髪型にしてみたよ』



『すげぇいい!!ありがと!光輝さん!』



俺は目を輝かせ、光輝さんにお礼を言った。

光輝さんは嬉しそうに笑って、『良かった』と言ってくれた。



今日光輝さんに会いに来てよかった。
心機一転した気がする。

また新しい目標も出来たしさ。



『料金はいいよ。今日は特別。また来てね』



『えっでも…』




『いいから、いいから』



光輝さんはいつも優しかった。
俺をまるで弟のように接してくれていた。
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