恋愛一色
遥斗はいつも俺の傍にいてくれた。


施設の時からずっと一緒の仲間。


でも遥斗は全然笑わない。

笑った顔なんか見たことなかった。



遥斗は…両親を恨んでいた。



『遥斗また鳥描いてんの?』


小学生の頃、遥斗は休み時間に机の中から自由帳を取り出して、毎日鳥を描いていた。



『鳥が好きだから』



そう言って遥斗はクレヨンを動かす。


俺は遥斗が描く鳥の絵が大好きだった───……



そして中学生になる前に俺は《沢村》という夫婦に養子として貰われた。


初めて出来た両親。


二人とも俺に優しくて、俺は両親がすぐに好きになった。



でもこれは本当の両親ではない。



こんな気持ちも押し殺して俺は笑顔を見せる。



…最低かな?



そして俺は中学生になった──…
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