恋愛一色
運命の人?
考えたこともなかった。そんな人いるのかな?



『…考えたことなかったですけど、いない…と思う…』



俺は頭を掻きながら下を向いて言った。



『そっか…僕は運命の人はいると思うんだ。彼女と出逢ったのも運命だと思う…』



『彼女?』



彼は微笑みながら一番輝いている星を指差した。

俺はその星を見つめる。


『彼女は星になったんだ。もう逢うことは出来ない…』



その話を聞いていたら、何故か心が痛くなってゆく。

何故だろう?



『彼女をもっと幸せにしてあげたかった。もっと大切にしてあげたかった…この腕で…抱きしめてあげたかった…』



彼は涙を浮かべながら星を目掛けて言葉を並べていく。



『…彼女は運命の人だったんですか?』



『きっとね、僕はずっと彼女のことを忘れたことなどなかったし…愛している…今も…』
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