恋愛一色
適当に取った服を着て、髪の毛をセットし、家を出ていった。



母さんに遅くなる、と伝えて俺は出ていった。


母さんは一瞬…ほんの一瞬だけ朝と同じ寂しそうな顔を見せたが、笑顔でいってらっしゃいと言ってくれた。



俺は駅がある道を一人寂しく歩いていた。




『響?』



すると誰かが俺の名を呼んだ。



俺は顔を上げるとそこには遥斗の姿があった。



遥斗はあの喧嘩以来話していない。


気まずいままだった。



『遥斗…』



俺は何て言ったらいいか分からなくなり、とっさに下を向いた。



遥斗に責められるのではないかと…不安をしつつも期待をしていた。



『平松と遊びに行くのか?』




『あぁ…』



今日は快晴なのに北風が吹くととても寒い。




遥斗が俺に近付いてきた。


そして一言だけ言った。




『頑張れよ』
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