恋愛一色
遥斗は男の俺から見てもかっこいいと思ってしまう程の美男子。


サラサラの髪に、綺麗な二重の瞳。
透き通った肌。
淡い赤色の唇。


褒めれば褒める程、魅力的なところが出てくる。



でも遥斗は女には興味がない。



中学生といったら恋愛の盛りみたいなものだ。


俺だって女には興味がある。


彼女だって欲しいし、
いろいろなことをしたい。


俺が変なだけか?


俺が欲情だらけなだけか?


遥斗は、まだ気にしているのだろう。



母親が遥斗を捨てたということを─…



遥斗の過去を知っているのはこの中学校で俺しかいないだろう。


俺の過去も誰にも話したことはない。



過去なんか関係ない。


今があればそれでいいと俺は思っているのに…遥斗は違うんだ。



遥斗は世界自体を憎んでいた。
< 5 / 313 >

この作品をシェア

pagetop