恋愛一色
さなは千尋と違い、もう少し柔らかい体だった。


さなは固まっていて、暫く硬直していた。



『響…?』



さなの涙が俺の服に染み込んでいく。



『…俺を頼って?』



『私…響と付き合いたい…』



さなの我が儘を俺は聞き入れることは出来るかな?


さなの温もりと千尋の温もりを同時に感じることは出来るかな?



俺は自分に自信があった。

やれると思った。



俺は二人の女を同時に痛めつける道を選んだ。



この選択は…間違っていたかな?



俺はまだまだ餓鬼だったから…頭を使って行動が出来なかった。




ポケットがチカチカと光っている。

光を出しているのは携帯だ。


携帯に先ほど落とした女からのメールが来ていた。


俺はこのメールを朝に見ることとなる。


俺は快楽の世界にいた。




そして…次の日、俺は彼女の前でまた嘘をつくんだ…
< 50 / 313 >

この作品をシェア

pagetop