恋愛一色
俺は何をしてるのだろう?

いけないことをしている。

好きでもない女を抱いて、好きでもない女に添い寝をして…


甘い言葉をかけて、
甘い世界に入って…



俺はきっと他人から見たら最低な男だ、と思う。


この事を遥斗に言ったら…遥斗は完全に俺から離れていく。


頑張れ、なんて言ってくれないだろう。



最低だ、と言うはずだ。



するとさなが裸のまま俺に抱きついてきた。



『さな?』



『私…幸せだったよ?響…かっこよかった…』



『…ばーか』



俺は近くにあった毛布をさなに掛けてあげた。



『風邪引くだろ?』




『響大好き!』



俺は強くさなを抱いた。


さなの柔らかい肌の感触。

少し寒い部屋。


そして…俺は千尋に対する罪悪感で溢れていた。



俺の得意な嘘を言えばきっと千尋はまた騙される…
< 52 / 313 >

この作品をシェア

pagetop