恋愛一色
外には鼻を赤くして、マフラーに顔を埋めて立っている遥斗がいた。



『おはよ』


俺が朝の挨拶を言うと遥斗は俺を見て頷いた。



俺が歩き出すとそのあとに遥斗がついてくる。



『…平松とどうなった?』



突然遥斗が口を開けて聞いてきた。


俺は遥斗を見て微笑んだ。


『手に入れたよ?』



得意気に俺は遥斗に言った。

遥斗は俺から視線を下に落としていく。



『…ふーん』



ただこれだけ言って、また歩き出した。




『それだけかよ?』




『…俺には関係ねぇし…』


今度は俺が遥斗のあとをついていく。



もっと…何か言って欲しかった。



《おめでとう》
《良かったじゃん》


そんな祝福の言葉なんか要らねぇよ、
必要ねぇよ…


俺を殴ってくれよ…



遥斗は空を見上げて俺にこう言った。


この言葉は…遥斗の精一杯の気持ちが込められていた言葉だった…





『…後悔すんなよ?』
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