恋愛一色
俺は遥斗がいつかこの世界からいなくなるのではないかと不安だった。



遥斗はこの世界を恨み、憎みながら生きている。


そんな遥斗を見ていたら、俺はなんて言葉をかけたらいい?



行かないでくれ、

消えないでくれ。



こう言った方がいいのか?


俺は遥斗の不満を聞いてあげれる程…強い人間ではない。



俺だって…遥斗以外の人間にも偽りの姿ではなく本当の姿を見せたいから…



『なぁ遥斗って好きなやつとかいねぇの?』



もう中学生になって半分以上が経つ。


遥斗にだって好きな人ぐらい出来るはずだ。



遥斗はゆっくりと視線を俺の方に向けた。



遥斗の綺麗な瞳が俺を見つめる。
男の俺ですら遥斗に見つめられるとドキッとしてしまう。



すると遥斗は空を指さした。


俺は遥斗の指さした方に顔を傾ける。




『え?』
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