恋愛一色
俺は遥斗の反応を見て、再び教室に戻っていく。



『お待たせ!帰ろ?』


俺は机の横に掛けてあったカバンとカバンの中からマフラーを取り、首に巻いて千尋の手をぎゅっと握った。


千尋も俺に応えてくれるように俺の手を握り返してくれた。



そして下駄箱に行き、靴を履き替え、学校を出ようとしたとき、後ろから俺の名が聞こえた。



『あれ~?響?』


後ろを振り返るとそこには真美がいた。



『真美じゃん!』


真美から前にメールが来ていたがその時はすぐに終わってしまった。


真美は受験生なのであまり誘ったりは出来ない。



『あれ?彼女出来たの?』


真美は千尋の存在に気がついたのか、ぺこっと会釈をした。



『おう!彼女の千尋!』


俺は自慢気に繋がれた手を見せた。



『そうなんだ!お幸せに!』


こう言って真美は去って行った。



一瞬だけ…悲しそうな顔を浮かべて──…
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