恋愛一色
俺一人では無駄に広すぎる部屋。

だが一人増えるとそうでもない気がした。


俺はカバンを机の横に置き、再び下に下りて行った。

そして冷蔵庫からオレンジジュースを取りだし、グラスに注いでいく。


透明のグラスにオレンジ色が混ざる。



『めんどくさ…』


俺はため息を漏らし、二つのグラスを持って部屋に戻った。



部屋に戻ると、さっきまではしゃいで駆け回っていた千尋が、疲れたのか俺のベットに横たわっていた。


俺は二つのグラスを机の上に置き、ベットで眠っている千尋の顔を覗いた。



『千尋?』


千尋は瞼を閉じて笑顔で眠っていた。



すると千尋の目が急に開き、俺を見て笑った。



『寝てないよ!ねぇ?響も一緒に寝ようよ…』



まさかこんな展開になるとは予想外だった。


千尋が自ら俺を誘ってくるなんて。


俺が拒むとでも思うのか?
< 66 / 313 >

この作品をシェア

pagetop