恋愛一色
『俺が好きなやつはこいつ』



遥斗が指をさしたのは、
空を自由に飛んでいる一羽の鳥だった。


遥斗がこの世界で一番好きなのは、鳥なんだ…


俺は遥斗を見ていたら悲しくなった。



同情なんかじゃない。

ただ遥斗を一人にはしてはいけないと思ったんだ。



俺は遥斗と隣のクラスだったため、休み時間遥斗は何をしているのかとか分からなかった。


俺はいつも遥斗と一緒にいれるってわけでもない。


俺には同じクラスの友達もいたから。



でも遥斗のことは気になっていた。



『響~!』



元気よく俺の方に駆け寄ってくるのは同じクラスの平松千尋《ひらまつ ちひろ》だ。



千尋とは最近仲が良い。


千尋は俺のことを好いているらしい。


そんな噂を聞いて俺は千尋を意識するようになった。


だが、好き?と聞かれたら素直に好きとは言えない。
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