恋愛一色
それを聞いた和馬と淳はひどく驚いていたが、すぐに笑いだした。


『まじかよ!』


『おめでと!』



何がおめでとだ。
お前たちに祝ってもらっても嬉しくねぇよ。



『…それで響は満足なわけ?』



外を眺めていた遥斗が突然言い出した。

その言葉を聞いた俺達は黙ってしまった。



『は?意味分かんねぇよ』

俺が遥斗を睨みながら言うと遥斗がゆっくりとこちらを見た。




『…女と寝れて満足か?お前の人生ってつまんねぇんだな』



…気が付いた時には、俺は遥斗の胸ぐらを掴み、叫んでいた。



『お前に言われたくねぇよ!お前こそ生きてて楽しいかよ?笑わねぇでさ!!』


和馬と淳が俺達の間に入り、俺達を引きはなそうとした。



遥斗は表情を変えこう言った。



『…楽しくねぇよ』



『…は?』



遥斗は唇を噛み締め、眉間に皺を寄せ、俺の手を離した。





『でも俺はお前みたいな嘘の笑顔なんかしたくねぇから』





遥斗のこの言葉が…俺の胸に突き刺さった─…
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