恋愛一色
今なんて言った?
なんて…言った?


俺は呆然としたまたま、その場所に座っていた。


遥斗は俺を睨み、部屋から出て行った。


遥斗の後を追い掛けるように、次は淳が部屋から出て行った。



俺は下を向き、胸に突き刺さった言葉を無理矢理消そうとした。



でもその言葉は完全に突き刺ささっていて、なかなか消えないでいた。



俺は手を胸に当てる。


…何で?
遥斗…お前は知ってたのかよ…
俺が嘘の笑顔をしていたって…



次第に込み上げてくるのは、涙だった。


俺はそいつが流れないように、唇を噛み締め我慢をした。



すると部屋にいた和馬が、俺に近寄ってきた。



『大丈夫かよ?なんだ?遥斗のやつ。いきなりあんなこと言って』



俺が動けなくなったのは、遥斗の言葉が当たっているからだ。


俺はそれを和馬にバレないように、隠し通す。
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