恋愛一色
光輝さんと同じだ。
俺も恋愛なんてゲームだと思っていた。


『俺も…俺も今恋愛なんてゲームだと思っています…』


視線を下に落としていく。
光輝さんを見ていると、全てを見られているみたいで恥ずかしかった。



俺の罪までは、知られたくない。



『…やっぱりね。でも俺はさ、運命の人と出会って、恋愛はゲームだという考えはなくなったよ』



『…運命の人?』



俺は占いや、運命なんて信じたことなどなかった。

ただの綺麗ごとだと思っていた。


ましてや運命の人なんて…いるのか?

俺はいないと思っていた…


『高校一年生のときにその人と出会ったんだ。まさかその人を好きになるなんて思っていなくてさ…今も付き合っているよ』



『…いるのかな…俺にも運命の人…』



風が吹くたび、ビニール袋のがさがさという煩い音が公園に響く。
< 83 / 313 >

この作品をシェア

pagetop