恋愛一色
『いるよ…必ず。響君にも。まだ出会っていないかもしれないけどね』



もう一度光輝さんを見ると、光輝さんは変わらない優しい笑顔で俺を真っ直ぐ見つめていた。



…信じよう…かな。



『…でも俺には今彼女がいる』



俺には彼女がいる。
それと、他の女の子もいる。


この中に運命の人はいるのかな?



『焦らないでいいと思うよ。ゆっくりでいいから見付けていこうよ』




『はい…』



俺はこの時初めて光輝さんの前で笑顔を見せた。


目には涙の痕を残して。


月明かりが照らす公園で俺は、少しだけ運命を信じようって思ったんだ。



もし、この時に光輝さんと出会ってなかったなら、俺はあの人とも出会わなかったかな。



光輝さんと会えたのは、
もしかしたら運命なのかもしれない──…
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