恋愛一色
その後、光輝さんは今の彼女とのことをいろいろ話してくれた。


彼女の名前は百合というらしい。


今は大学生で毎日学校に通っている。

ついさっき喧嘩をしたみたいだ。


そして、最後に光輝さんはこう言った。


その人を愛していると。


自分の話を楽しそうに話す光輝さんがとても輝いて見えた。


俺だったら…こんな楽しそうには話せない。


まだまだ俺は未熟だな、と思った一瞬だった。



すると、光輝さんのカバンの中から音楽が流れる。


携帯に着信が入ってきたみたいだ。



光輝さんは携帯を取り、携帯を開く。



『…百合だ』



そう呟いた瞬間、光輝さんは嬉しそうに笑った。



そして笑顔で会話をしていた。



好きな人の名前を呼ぶだけで嬉しくなるのだろうか?

俺はまだ経験をしたことがなかった。



千尋の名を呼んでも光輝さんみたいな笑顔にはなれなかった。




いつか…名前を呼べるだけで幸せだと思える人に会えるかな?
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