恋愛一色
月は丸く満たされていく。

ただ物静かな公園で、俺は光輝さんの隣に座り、電話が終わるのを待っていた。


光輝さんと、百合さんの会話を聞いていると、喧嘩したようには思えないほど、楽しそうに話していた。


そしてしばらく経つと、
光輝さんは電話を耳から離し、電源ボタンを押した。


『ごめんね?』



『いえ…仲がいいんですね』



『そうかな?好きだからね』



この光輝さんの言葉にまた考えさせられる。


好きだからか…


そしてため息を溢す。


自分が今している恋愛が本当にバカみたいに思えてくる。



冷たい北風が俺の心を冷たくしていく。


氷のように、冷たく…



『響君?』



『俺も…そろそろ終わろうかな…俺の恋愛に』



『焦らずにね?』



『はい…』


『あっそうだ!』



すると光輝さんがカバンの中から何かを取り出した。



…写真?
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