恋愛一色
目を閉じ、高校生になった自分を描いていた。



…真新しい制服に身を包んだ俺。
…今日みたいに桜の花びらがひらひらと舞っていて、隣には俺の親友。


目を開けて、隣を見ると、顔を隠して寝ている遥斗がいた。



…やっぱこいつがいねぇとだめだな。


きっと遥斗も俺がいないとだめだな、と勝手に自惚れてみたりする。



決めた、俺は遥斗と同じ校に行く。


そして、約束を果たしてやる。


授業が終わった次の休み時間に、俺は遥斗達に打ち明けた。



『まじかよ?』

と遥斗は少し驚いていたが、俺は満面な笑顔を見せた。


お前と一緒じゃなきゃだめなんだ。

自分の弱さや、自分のだめなところを見付けることが出来るから…



『響~!』



すると教室の外から、誰かが俺の名を呼ぶ声が聞こえた。



『千尋?』
< 94 / 313 >

この作品をシェア

pagetop