恋愛一色
俺は真美の発言を聞き逃してしまった。


『え?』



そしてもう一度真美に聞き返す。


真美は少し頬を膨らませ、さきほどと同じことを言う。



『だから、今度遊ばない?』



真美は顎を少し引き、上目で僕を見た。



『あーいいよ!』



俺は真美の言葉に嬉しそうに反応をする。


真美は少し不安そうな顔から満面の笑みに変わった。



そんな真美を見て俺は思ってしまった。



…やっぱ女は単純だ。



『じゃあさ!今度の日曜日空いてる?』



真美はその笑顔のまま俺に予定を聞いてくる。


日曜日?
なんかあったよな。


でも俺は忘れていた─…

大事な、大事な約束を。

『空いてる!』



『じゃあその日遊ぼうよ!買い物付き合って!』


すっかり茜色だった空が暗い空になっていた。


あの場所を探そうと思っていたのに…
今度探すとしよう。



『分かった!』



『日曜日の10時に駅にきてね!ばいばい』



真美は数回手を振り、僕の前から去って行った。
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