君の瞳が愛をささやく
「莉緒さんお疲れ?」


勉強を見てあげている時に、澪ちゃんが心配そうに首を傾げた。


「そんなことないわよ、大丈夫♪」


それでも澪ちゃんは心配そうな顔をしていたが、勉強を再開した。


澪ちゃんは臣と同じ学校に行きたくて、一生懸命勉強しているんだと思う。


澪ちゃんを見ていると、去年の自分を思い出す。


陸と同じ学校に行きたくて頑張ってた頃…


今の澪ちゃんは昔の私だった。


私も夢中で頑張ってた。


夢が叶って嬉しくて、でも悩みもあって…


私はチラリと引き出しを見て、軽くため息をついた。


未だに捨てられないあの手紙。


引き出しの奥から出られる日を待っているような気さえしてくる。


でも手に取ったら留学を喜んでいた頃の気持ちが蘇りそうで怖い。
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