君の瞳が愛をささやく
『あんた誰?』


幹ちゃんは、俺に睨みを効かせながら歩きだした。


俺は幹ちゃんの半歩後ろを着いて歩いた。


『えっと…
俺は莉緒の…』


『莉緒ならダメよ?
莉緒には大切な旦那がいるんだから。』


幹ちゃんは俺の話しなんか聞きたくもないと言った感じで、どんどん歩き続けた。


『…いや、だからさぁ…』


『しつこいなぁ!
あんた何なの?
学部と名前は!?』


幹ちゃんが俺に詰め寄った時、焦った表情の莉緒が学生ホールから飛び出してきた。


幹ちゃんは莉緒から俺の事を聞くと、とりあえず平謝りした。


『でも旦那は何も言わなかったじゃない?
お互い様よね♪』


幹ちゃんの笑顔が妙に怖くて、俺は幹ちゃんに謝った。
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