君の瞳が愛をささやく
莉緒の実家は珍しく留守だった。


いつもなら里美さんがいるはずなのに…


「…買い物かな?」


「陸兄!?」


どうしようかと立ちすくんでいると、調度帰宅した臣が驚いた表情を浮かべていた。


「臣…久しぶり。」


「…久しぶり…来たんだ?」


「…おう。」


俺は久々に莉緒の家を訪れた。


臣はどこかよそよそしく、焦った表情を浮かべている。


「臣、莉緒はどこにいるんだ?」


二人きりのリビング。


ここにいるだけで解る…


莉緒はここには居ない。


「…姉さんの部屋に、陸兄に宛てた手紙があるよ。
陸兄がもし来たら渡してほしいって頼まれたんだ…」
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