君の瞳が愛をささやく
私は陸を追い掛けながら階段を駆け降りた。


「さあ、行こうか♪」


玄関には、臣と澪ちゃん。


それから、父と母が何故か正装して待っていた。


「…二人もどこか行くの?」


「何言ってるんだ、莉緒。
私達も澪ちゃんの試合を見に行くのさ♪」


父が車のキーを指でクルクルと回しながら言った。


「そのあと、デートして来るから♪」


母が嬉しそうに笑った。


「…そう。」


私達は父の車に乗り込んで、試合会場に向かった。


車の中で、陸は臣と澪ちゃんと楽しそうに話しをしていた。


さっきのは何だったの?


とても聞けるような雰囲気じゃなくて、私は窓の外の景色を見ていた。
< 28 / 151 >

この作品をシェア

pagetop