君の瞳が愛をささやく
臣の周りを取り囲んだ女子達が、きゃあきゃあと楽しそうに騒いでる。


「あの…莉緒会長ですよね?」


輪から外れていた生徒が、遠慮がちにこちらを見ている。


「ええ。」


「わぁ…私服も素敵ですね♪」


「ありがとう。」


誰も陸の事は気づいてないみたいだ。


ひとしきり話すと、皆揃って私にお辞儀をしてから席に戻って行った。


畏まって挨拶されるほど、私って怖いのかしら?


辺りを見渡せば、うちの生徒はかなりいるらしい。


ひそひそ話しながらこちらを見ている。


私が軽く手を振ると、皆きゃあきゃあ言いながら手を振り返してくれた。


「…くくくっ♪」


「陸どうしたの?」


「お前らには負けた!
人気者なんだな、やっぱり♪」


陸が嬉しそうに笑った。


「そうよ?
臣と澪ちゃんは学校のアイドルなんだから♪」
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