君の瞳が愛をささやく
「俺さ…
大学、諦めようと思ってるんだ。」


陸はノートを眺めたまま言った。


「…諦める?」


…冗談でしょう?


「…うん。
このまま勉強しても、なんとか高校を卒業出来るレベルにしかならないと思うし。」


陸はノートを閉じて、空を仰いだ。


「…本気?」


「本気…かな。」


「…約束したよね?
『高校は無理だったけど、大学では追いつくから!』
って、陸が言ったんじゃない…」


私はその約束を叶えたくて…


生きる世界は違うかもしれない、だからこそすこしでも繋がりが欲しくて。


「…覚えててくれたんだ?」


陸は驚いたように目を見開いた。
< 41 / 151 >

この作品をシェア

pagetop