君の瞳が愛をささやく
私も驚いた。


「…私が忘れてると思ったの?」


「ごめん…
あんな約束かどうかも分からないような言葉を、莉緒が覚えててくれてるとは思わなかった…」


陸はノートを見つめると、嬉しそうに笑った。


「そっか、覚えててくれたから…」


そうだよ、だからこのノートを作り続けた。


あまり学校へ行けない陸だから、学校用の対策と大学用の応用問題。


2種類のノートを作って、陸に会う度に渡した。


テスト形式にして、採点したりもした。


それだって全て、あの約束を果たして貰う為だった。


「…私だって、同じ大学に行きたいから…」


私は呟くように言った。
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