君の瞳が愛をささやく
昼食を済ませて莉緒が食器を洗ってくれている間に、俺はコーヒーを入れた。


コーヒー豆から作る自慢のコーヒーだから、食後に調度良いはず。


「ほい、莉緒。」


「ありがとう。
良い香♪」


幼なじみだからか、俺と莉緒の食事の好みは良く似ている。


だから莉緒もこのコーヒー好きだろうなと思っていた。


「それ、莉緒専用のマグカップな?
あと、これ。」


今日渡すって決めていた。


「…合い鍵?」


莉緒は驚いて目を真ん丸にしていた。


「いつでも来て良いよ。」


「…掃除しに来いって事?」


莉緒は意地悪な笑顔を浮かべながら、嬉しそうに鍵を握りしめた。


「ありがとう。」


小さな声だったけど、ちゃんと聞こえた。
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