君の瞳が愛をささやく
そんな風にモヤモヤした気持ちを消せないまま、俺達は受験の日を迎えた。


「莉緒。」


当日はK大の校門前で待ち合わせの約束。


「陸、遅いわよ?」


莉緒はご立腹といった感じで笑った。


「ごめんごめん、電車混んでた。」


俺が近づくと、莉緒の近くにいた男達が校内に入って行った。


「陸が遅いから、声かけられたのよ?」


なるほど、それで怒ってたわけだ。


「ごめん。
終わったらなんか奢るからさ♪」


俺がそう言うと、莉緒は仕方ないなぁと言いながら笑った。


まぁ、校門に莉緒みたいな子がいたら声をかけたくなる気持ちも分からないでもないけど…


最近、莉緒は今まで以上に綺麗になった気がする。
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