君の瞳が愛をささやく
「莉緒になんか用か?」


「…えっいやぁ…別に…」


俺の威嚇が効いたらしく、男達はしどろもどろになりながら去って行った。


「ありがとう、陸。」


「大丈夫?
電話してくれたら良かったのに…」


「まだ試験中だったら大変じゃない?」


こんな時くらい甘えてくれても良いのに…


「帰りましょ?」


莉緒が俺の手を握った。


滅多な事でもないかぎりこんなのないぞ!?


「…本当は怖かったのよ?
来てくれてありがとう。」


莉緒は小声で囁くと、恥ずかしそうに微笑んだ。


女王様はこれだから…


俺の機嫌は一気に良くなってしまったみたいだ。
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