君の瞳が愛をささやく
陸には内緒で受けた大学から、昨日合格通知が届いた。


もし陸がK大に落ちたら、通おうと思っていた大学。


その中に一通の手紙が入っていた。


私は枕元に置いていた手紙を開いた。


『拝啓 中野莉緒様。

この度は合格おめでとうございます。


…留学先としてLAの…


どうかご検討ください。

医学部教授 服部慶一郎』


もう何度読み返したか分からない手紙。


留学…。


初めてこの手紙を読んだ時はうれしかった。


留学して医学の勉強をする、それは密かに夢見ていた事だった。


でも同時に罪悪感が襲ってきた。


陸はあんなに頑張ってくれたのに、私は密かに陸が落ちたときの事を考えていたのだ…。
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