君の瞳が愛をささやく
彼女は幹小百合。


入学して唯一出来た私の友人。


幹以外にも話す子はいるけど…


どの子も心を許せる程の仲ではない。


思えば陸と一緒に入学式に出席したのが失敗だった。


陸が会場に現れると案の定大騒ぎになった。


陸の周りに人だかりは出来るし、一緒にいた私までなぜか注目されるし…それ以来、興味本意で近づいて来る人ばかり。


そんな中、幹だけはそんなの関係なく私に話しかけてきた。


『中野さん、悪いんだけど今日のノート後で写させてくれない?』


初対面の日、たまたまコンタクトを無くしてしまった幹が、私に声をかけてくれたのが始まりだった。


『良いわよ?』


『助かる、ありがとう!
中野さんいつも真面目に講義受けてるからさ…前から話しかけてみたかったのよ♪』


恥ずかしそうに幹が笑うから、私もつられて笑ってしまった。


それから幹と仲良くなって、いつも一緒にいるようになった。
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