君の瞳が愛をささやく
「旦那、莉緒が終わるまで待っててくれるの?」


「仕事のない日はね?」


「愛されてるねー♪」


幹がニヤリと笑った。


「まあね♪」


私もふざけて笑った。


幹は陸の事を『旦那』と呼ぶ。


彼女曰く、陸とは呼べないし、苗字で呼ぶのもも変だからという理由だったが…


逆に恥ずかしいからやめてもらいたいのが本音(笑)


「莉緒ー!」


待ち合わせのベンチで、陸が笑顔で手を振っている。


「あっ、またあいつ居るよ?」


「そうね…」


幹が言う『あいつ』は、陸の友人の加賀見恭一の事。


「お待たせ。
加賀見くんも陸に付き合ってくれてありがとう。」


私が軽く微笑むと、加賀見くんは恥ずかしそうに笑った。
< 96 / 151 >

この作品をシェア

pagetop