ピクシーホルン
___報告書
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カスタ暦1863年 葉月
13時20分 シャタ港にて
辿り着いたのは一隻の商船。
港から見えたその商船がただならぬ雰囲気は、船が辿り着いたとき港にいる全ての人が息をのんだ。
嵐、海賊にでも襲われたのか、船であって船ではない損傷の仕方だった。
大型船のメインマストは折れ、船の側面には無数の穴、船頭はなく引き契られた跡。
今の時期は海流の影響でシャタ港一体は風が強い。
メインマストもなくこの国まで流れてきたのはその海流のせいだろう。
港の警備隊は誰も降りてこない商船に乗り込むことに。
船にいくつかの梯をかけ、ゆっくり上がって行く。
最初の一人が甲板に降り立った瞬間に息が止まった。