ピクシーホルン
副隊長ハリス・レーンが近付き、生死の確認を行った。
その人間はまだ微かに息があった。
「…我ら、は…の、ろわ…れた……、――に、よって…血を、もっ…ッ…」
副隊長の呼びかけによって開かれた目は、それを呟き、また閉じられ二度と開かれることはなかった。
近くにいた副隊長ハリスでさえ聞き取れない言語があったと隊長に報告していた。
―我らは呪われた。
―…によって、血をもって
それが彼…船長リーグ・マランツの最後の言葉だった。
どういう意味かはわからないが、船の捜索は終わり、船長リーグ・マランツの供養を行った。
外務大臣サリー・マカミアの指示により、この国からアシャラへ行く商船に運ばれてきた荷物を乗せ、アシャラへ送ることになった。
その六日後にはなるが船内にあった書類や本、衣類も全て送ることになった。
以上をもって報告致します。
港警備隊、筆者ロバート・スミス
港警備隊、隊長ブルーチ・サハリ
港警備隊、副隊長ハリス・レーン
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