七色の糸(仮)
 隣から視線を感じた。どうやら相手も気付いているようだ。

 とりあえず謝ろう……。悪く思われているなら誤解を解いておきたい。しかし、緊張してなかなか言い出せない。

「あの……さっきはごめん、ぶつかって……」

 自分が言おうとしていた言葉を先に言われた。

 ぼくは「えっ」と反射的に振り向くと「あ、うん……」と全く気の利かない返事を返してしまった。目のやり場を失い、目線を下げた。名札には『小山』と書かれていた。

「同じクラス?」

 先生の声が割って入った。

「あ、違います……ボクが2組で、上原くんが1組です」

 小山くんの頬は赤みを帯びている。どうみても小学生にしか見えないが、優しくなさそうなキツめの表情が、ぼくに苦手な印象を与えた。


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