七色の糸(仮)
 小さな頃から人見知りが激しく、人と話すことが苦手だった。



 始めの頃は、別の小学校の人達によく話しかけられていた。しかし、酷く緊張して、会話はすぐに終了してしまうのだった。

 拓海は、自分がつまらない人間だと思われてしまわないか不安で仕方なかった。



 今ではすっかりぼくに話しかける人はいなくなった。

 教室に居場所はなく、ぼくは机の上でじっとしているしかなかった。



 となりの席から、どっと男子達の笑い声が響いた。

 自分のことを笑われたような気がして、一瞬身を硬くしたが、どうやら昨日のテレビ番組のことで盛り上がっているようだった。

 その番組ならぼくも昨日二歳年上の姉と一緒に大笑いした。

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