七色の糸(仮)
2 嫌なヤツ
‐嫌なヤツ‐
クラスメートの岸くんはよく人をからかう。授業中でも構わず大きな声で話し、しばしば先生を困惑させた。
彼のその少ししゃがれた声は、ぼくの心臓を軋ませた。
平気で人の嫌がることをする岸くんがとても恐ろしかった。
席替えで近くになると、ぼくは岸くんの格好の標的となった。
それからというもの少しでも油断すれば、背中に蹴りを浴びせられ、ぼくの顔に向けての寸止めパンチは毎日の日課となっていた。全校集会で体育館へ移動する際、シューズ袋を投げつけられた時には、投げかえして反抗したが、何の効果もなく逆に面白がって何度もやり返してくるだけだった。
岸くんには心がないとしか思えなかった。
クラスメートの岸くんはよく人をからかう。授業中でも構わず大きな声で話し、しばしば先生を困惑させた。
彼のその少ししゃがれた声は、ぼくの心臓を軋ませた。
平気で人の嫌がることをする岸くんがとても恐ろしかった。
席替えで近くになると、ぼくは岸くんの格好の標的となった。
それからというもの少しでも油断すれば、背中に蹴りを浴びせられ、ぼくの顔に向けての寸止めパンチは毎日の日課となっていた。全校集会で体育館へ移動する際、シューズ袋を投げつけられた時には、投げかえして反抗したが、何の効果もなく逆に面白がって何度もやり返してくるだけだった。
岸くんには心がないとしか思えなかった。