鏡村【短編】
「何するのっ!?」


嫌だ、こんな所。


「だってお姉ちゃんいつまでも夢だって思ってるから」


血がぽたりと落ち、地面に吸い込まれた。


教えてあげようと思って、と男の子は口角をつり上げる。


私は殺されるのだろうか。


もしかしたら、もう死んでるのかもしれない。


でも、痛みは本物だ。


これは現実。


「わかったから、早く出口を教えてよ」


焦りからか口調が強くなった。


男の子はコクリと頷いて私に応える。


「うん、僕は出口まで連れてってあげることは出来ないけど、ヒントなら教えてあげるね」


「なんで、そんな遠い場所にあるの?」


「ううん、すぐ近くにあるよ、お姉ちゃんに出口を直接教えたら僕お父さんに叱られちゃうから……」

私は言葉が出ない。


「本当はこうしてお姉ちゃんと話してることもダメなんだけど」


「じゃーどうして」


「僕も同じなんだ」



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