鏡村【短編】
同じとはどういう事だろう。


「僕もね、玲って名前なんだ」


玲。


私そんなこと教えたっけ……


なんだろう、この子がその名を言うまで、自分の名が玲と云う事を忘れていたような気がする。


「それじゃ、ヒントを言うね」


男の子の胸元でガラスのアクセサリーが光った。


「自分を見つけるんだ、早くしないとお姉ちゃんここの住人にされちゃうよ」


「自分?住人?」


「お父さん達が出口を塞いじゃうから」


「どういう事なの、自分って私はここにっ」


気付くと男の子は居なかった。


自分を見つけるって、もう1人私がいるってこと?


私は私だ。


あの子は何が言いたかったの。


わかんないよ……



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