近代化
「おっはよー」
また、たいぎい学校が始まった。
テンションが高い女子たちが、挨拶をしまくっている。
耳障り。
「おはよー高梁!!」
もっと耳障りな奴が来た。
「…おはよ」
めんどくさそうに挨拶をすると、本を読み出した。
耳障りな奴はまだそこにいる。
「おまえって、本好きなんだな」
また、その言葉か。
「別に本が好きなわけではないよ」
「いつも本読んでるじゃん。好きなんじゃないの?」
こいつ、奇跡的な脳をしているな。
好きなんじゃないって言ってんだから、好きなんじゃないんだよ。
「本を読んでいると言って、好きとは限らないだろ。おまえバカ?」
あ…つい本音が。
「バカじゃねーし!!」
龍野はそーかそーか、と小声で言ったあと、何かを考えていた