近代化
修羅
それから何日か経った。
周りがどんどん変わっていく。
僕の環境が―いや、僕が変わっていったのだろう。
あんなに憧れていた雲さえも、今はただの雲に見えた。
「高梁、最近明るくなったな」
と龍野に言われた
「そう?」
僕は素っ気なく答えた。
「ああ。何か前は周りを小馬鹿にしてたけど、今はしてないし」
「小馬鹿?」
僕はその言葉に引っかかる
僕は周りを小馬鹿にしていたのだろうか。
そんな僕に龍野は
「前はほら、くだらないとか、めんどいとかよく言ってたじゃん」
確かに
「それって、周りを小馬鹿にしてるってこと」