近代化
「何で自殺しようとか聞かないんだな」
「興味ないから」
「ありがとう」
龍野は静かに笑った。
何で僕にそんな話をするのかが分からない。
「で、おまえは自殺をどう思う?」
急に受験でありそうな質問が飛んできた
「どうって…」
暫く考えたあと
「どうも思わない」
自分の言葉を再確認したあと
「うん、どうも思わない。
僕はいいことと思わない。いけないこととも思わないから」
「そっか」
龍野は静かに呟いた。
こいつが何を考えてるんだろうか。
「でも、死にたいとか言う奴には嫌悪感を感じるね」
龍野は興味深そうにこちらを見た
「だったらさっさと死ねば?って思う」
龍野はハハと笑ったあと
「冷たいな」
「そう言ってる奴は大抵死なないから」
「…なるほどね。おまえという奴が何だか少しわかったよ」