近代化

「何で自殺しようとか聞かないんだな」


「興味ないから」


「ありがとう」

龍野は静かに笑った。
何で僕にそんな話をするのかが分からない。

「で、おまえは自殺をどう思う?」


急に受験でありそうな質問が飛んできた


「どうって…」

暫く考えたあと


「どうも思わない」


自分の言葉を再確認したあと

「うん、どうも思わない。
僕はいいことと思わない。いけないこととも思わないから」


「そっか」

龍野は静かに呟いた。

こいつが何を考えてるんだろうか。


「でも、死にたいとか言う奴には嫌悪感を感じるね」


龍野は興味深そうにこちらを見た

「だったらさっさと死ねば?って思う」


龍野はハハと笑ったあと

「冷たいな」

「そう言ってる奴は大抵死なないから」


「…なるほどね。おまえという奴が何だか少しわかったよ」


< 19 / 29 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop