近代化
僕はそっと抜け出し、学校においてある、公衆電話に行った。
直接本人に聞けばいいじゃんか
番号を押したあと、呼び出し音が鳴り響く
ガチャ
「もしもし、龍野さんですか?」
「…」
「あの…龍野さんですか?」
「…」
相手からは何も返事が返ってこない
「あの…!!」
「高…梁…か?」
電波が悪いが、間違えなく龍野の声だった
「うん。みんな大騒ぎしてるよ」
「そ……か………な」
全然電波が悪い。
「よく聞こえないよ。何て言ってるの?」
「悪…か……な」
きっと悪かったなと言ってるのだろう
「で、何で僕も小林にも転校すること言ってないんだよ」
「転………い」
「だから、全然聞こえないよ」
「転………な……い」
「おい、おまえ―」
ブツッ!!
電話が切れた。
通話時間が切れたのだろう。