近代化
「ちりとり取ってきて」
「はいはーい」
と、どこか遠くの方から女子たちが話している。
そろそろ掃除が終わる。
やっと帰れる。と思っていたら、また龍野がきた
「おまえ今、もう帰れる。と思っただろ?」
笑いながら尋ねてきた
「そうだよ」
と答えると、歯をニカッとだし
「お前のこと、少し理解出来たかな?」
僕は少し呆れた。
そんなくだらないことを、こいつはしていたのか。と
別に僕は理解して欲しいと思ってない。
そんなことに気づいてないこいつは、僕を理解していない。
と、言えるわけもなく、
「さあね」
と曖昧に答えた。
「おまえ、大人ぶってるな」
「うるさい」
龍野は指を僕に指し、
「まぁいいや…!!絶対におまえのこと、理解してやる!!」
と、どこかの政治家のように、自信たっぷりに言った